世の中、キレイゴトだらけである。
寝る前にニュースでも見ようかとテレビをつけると、いきなり、
「夢は必ず叶う!」
とか言ってタレントがガッツポーズをしたりしている。
「なわけねーだろ」と、ついツッコんでしまう。
「人間は素晴らしい!」
「人生はワンダフル!」
あっちでこっちで、そんなことばかり言っている。
そんなプラスの言葉ばかりに埋め尽くされて育った子供は、やがて成人して世の中に出たとき、きっとこう思う。
「人間は素晴らしくなんかないじゃん!」「人生はワンダフルじゃないじゃん!」
いやいや人間は充分素晴らしいし、人生はそこそこワンダフルなのだが、彼がそう思えないのは、人間や人生に対する期待値が高すぎるのである。 キレイゴトに洗脳されて期待値がいきなり目盛り90あたりから始まっているから、少々のことでは満足できないし、逆に、少々のことで傷つき、絶望する。 そんな絶望が臨界点に達したとき、知性がある場合は鬱病になり、知性に乏しい場合は、通り魔殺人などをしでかす。
極論ではあるが、そんな構図が見える気がする。
キレイゴトは、ほどほどにしといたほうがいい。