#96 「トゥ レディ」


レディ 俺の夜は
誰にも似てない
レディ 眠れないで
悪い夢をみてる

遠くひとつ
車の灯りが流れる
レディ こんな夜は
時が恋しいだけ

生きてきた全てを
星空に並べて
ひとつづつ 数えながら
夜に もたれている
レディ これが
俺のメロディ

レディ お前の
愛した この俺は
レディ もう何もない
男になったよ

上手く生きることや
ながく生きることは
もうあきらめて
ただ心の 音に気づいている
レディ これが
俺の メロディ

*

#96 「那珂川」


博多の盛り場を流れる那珂川という川があります。
若い頃、バンド仲間とよく行き来した川であります。
それから四十年という時が流れ、ふと夜の那珂川を目にしたときに、つくった歌であります。

    *

今夜の 涙は
街の風に 捨てちまいなよ

夜明けが また来る
あのビルの 向こうから

生きることは 数えること

幸せ 不幸せを 数えながら
両手いっぱいの夜明け
抱いて 帰ろう

誰かの 残した
夢のかけら 幾つも
ネオンの映る川に
あてもなく 揺れてる
明日のことを 尋ねても
応える人も居ない この街で
小さな肩を寄せあい
せめて歩こう

生きることは 数えること

幸せ 不幸せを 数えながら

両手いっぱいの夜明け
抱いて 帰ろう