第16回太宰治賞受賞作品「多輝子ちゃん」(辻内智貴さん)を読んで


友人の太宰治賞受賞作品「多輝子ちゃん」をアマゾンで注文して読んでみた。ネット上で書かれている書評が良くとても気になっていたからだ。

他の作品は読んでいたがこの作品はまだ読んでいなかった(^^;)
それと多輝子ちゃんのテーマを歌いたかったので、どんな背景がある歌なのかを知りたかった。
太宰治賞受賞作と言うことで、自分には難しいかなと思っていたが、面白くて次々と一気に読み上げてしまった。
小説に描かれている人たちを優しく俯瞰(ふかん:上から見渡した感じ)して見ているような感じでストーリーを追っていけるのが不思議な感じだった。
1曲の無名の歌手の歌が女子高校生の多輝子ちゃんの人生を変えていく、そしてその人生を訪ねて行く話なのだが思いもよらぬストーリーと優しく見守る人々の気持ちが温かい。
とても良い小説で、一生懸命に生きる純粋な若者がどこか社会には受け止められないが、読み手の自分にはよく分かる感じがした。
きっと映画化やドラマ化されたら美しい若者の心がきらりと光り清らかな涙を誘うだろう。

著者は友人だが、小説の背景を聞くのは愚問だと思うので尋ねてはみたいが悪いかなと思っている
作品は独り歩きして、読み手の想像する登場人物を思って小説の世界が広がると思うからだ。

答えは辻内さんが海と青い空を見ている満足そうな横顔にあるような気がした
余談だが、年末の本人からのメールで、この小説の構想は漁師町の島を歩きながら組み立てたという連絡を頂いた。

ぜひ読んでみてほしい「青空のルーレット」「多輝子ちゃん」(光文社文庫) 文庫本¥514円
尚、青空のルーレット(燃えるような夢を抱いて、都会の片隅で働く男たちの篤い友情を描く話)は映画化されているので有料サービスのネットビデオでも見れると思います。
★本には「青空のルーレット」と「多輝子ちゃん」の2作品の小説が含まれている。

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