#93 神社

昨日、友人と門司の和布刈(めかり)神社という所へ行った。

べつにそれが目的だった訳でもなく、メシ喰いがてら何処かブラッとしようか、という事でクルマを出し、とりあえず関門橋を渡って下関へ行き、そこから海を眺めていたら、対岸に神社が見えて、友人が、「あれは和布刈神社だ」と言うので、(…ああ和布刈神社)、とふと思い出される事があり、行ってみよー、という事になった次第である。

高校生の頃、松本清張さんの小説を随分読んだ。文庫になったのは殆んど読んだのではないかと思う。
その中で、「Dの複合」だったか「ゼロの焦点」だったか、なんかもう色んな作品がごっちゃになって判然としないのだが、そのあたりの作品の中に、和布刈神社で行われる神事がアリバイのネタになっていた作品があった、と、それを思い出したのである。

で、小雨降るなか、うねうねとクルマを走らせ、海辺のその神社を訪ね、しばらくの時を過ごした。

さほど広くもない境内を持つ地味な神社ではあったが、そこに流れ、今も留まり続けているかのような数百年という時間に、なにかボンヤリしてしまった。

伝統というのは、やはり凄いものである。

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